インスリンと糖尿病の関係について現役管理栄養士が解説(後編)

血糖測定器と患者の手

皆さんこんにちは!                          
神楽坂・飯田橋・南青山・表参道のパーソナルジムQUALITASの管理栄養士兼エステティシャンの野澤です。

早くも2月も後半ですね。
たまに春の暖かさを感じるような日がありますね🌸
かと思いきやまだまだ寒い…🥶
後もう少しの辛抱です!

さあ今回は前回の記事の続き、「インスリン」について。
前回はインスリの説明や糖尿病になるとどうなるの?などについて解説しました。

今回は「インスリンには日本人特有の特徴があった」というテーマで記事を書きました!

人種によってインスリンの効果が違うということ。
すなわちダイエットの仕方も変わってくるのか!?
それではご覧くださ〜い!👀

日本人のインスリンは凄かった

田植えをする日本人3

日本人を含む東アジア人は、もともとインスリンの分泌量が欧米白人の半分から4分の1しかないんです!

日本人は健康志向が高いなど、よくみられる思いますが
こんなにインスリン量が少なくても健康でいられるのは、欧米白人とくらべてインスリンがしっかり働くからなんですね。
インスリンの働きかたに人種差があることは以前から指摘されていました。


2013年、欧米と日本の国際研究チームが、それまでに世界各地でおこなわれた180の研究結果を総合的に分析したところ、同じ量のブドウ糖を注射したときに分泌されるインスリンの量が人種によって違うこと、そして血糖値の下がりかたも異なることが明らかになりました。

日本人はインスリンの分泌が少ないのに、血糖値がきれいに下がるのです!
いえ正確に言うと、昔はそうでした…
それが日本人のなかでインスリンの効き目が悪くなる人が次第に増え、それにつれて糖尿病の発症率が上がっています!
日本人のインスリンは、どうして効かなくなってきたのでしょうか?

問題はカロリーではなく脂肪の摂取比率

ベーコンエッグチーズハンバーガー

日本人が糖尿病になりやすいのは「倹約遺伝子」が原因だという説があります。
倹約遺伝子は「肥満遺伝子」ともいいます。
一つ持つごとに基礎代謝量が1日あたりなんと「100~200」下がります。(絶対持ちたくないですね)
基礎代謝が下がると消費するエネルギーが減りますから、同じカロリーを摂取しても太りやすくなります。

日本人を含む黄色人種は遺伝的に倹約遺伝子を持つ人が多いので、アジアの国で糖尿病が急増しているのは、近代化によってカロリー摂取が増え、もともと持っていた倹約遺伝子のせいで一気に肥満が進んだからではないかという「倹約遺伝子説」が生まれました。

そしてアジア人に倹約遺伝子を持つ人が多いことについては、アジア人はずっと食うや食わずの生活を送ってきたので栄養をたくわえる仕組みが発達したのだろう、と説明されています。

しかし不思議に思いませんか?
倹約遺伝子を持っていると基礎代謝量が下がって太りやすくなるのなら、
倹約遺伝子を持つ人が少ない欧米人はもっとやせていてもよいはずです。
それなのに、むしろ肥満気味の人が目立つのはなぜでしょうか。

▼倹約遺伝子説に生まれた誤解

まず、実際のアジアは土壌が肥沃で、欧州とくらべて、はるかに豊かな食生活を送ってきました。
古代から農耕が広くおこなわれ、炭水化物を豊富に含む穀物を十分食べることができたのです。

先に書いたように、インスリンには、あまったブドウ糖をグリコーゲンに変えて筋肉や肝臓にたくわえる働きがあります。

炭水化物を摂取できないときに備えてのことですが、アジア人はいつでも炭水化物を摂取できるので、
ブドウ糖を大量にたくわえておく必要がないんです。

そのため分泌するインスリンの量が少しですみます。
わかりやすい例で考えてみましょう!

すぐ近所に24時間営業の食料品店があれば、必要なときに少しずつ買えば良いので、
大きな冷蔵庫に買いだめする必要がありません。お財布に入れておくお金も少しですみます。
この便利な食料品店をアジアの炭水化物、冷蔵庫を筋肉と肝臓、お金をインスリンと考えてください。

日本人は基礎代謝が低く、燃費が良いので、買った食品はむだなくエネルギーになります。
このように、少ないインスリンがきちんと働いて、基礎代謝をおさえて効率よく生きてきたのがアジア人です。

逆に、土壌があまり農耕に向いていなかった欧州では、炭水化物を十分に摂取できず、食生活は肉と脂肪が中心でした。
そのため、炭水化物が手に入ったときは、チャンスをのがさずインスリンを大量に分泌してブドウ糖をがっちり吸収し、
余分があればたくわえることで大切なエネルギー源を手に入れてきたのです。

先ほどの例で言うと、遠い町にしか食料品店がなく、なかなか行けないのと同じです。
買えるときに買いだめできるよう、お財布にいつもお金を十分用意しておいて自宅には大きな冷蔵庫を設置します。

日本人とくらべると基礎代謝が高く、燃費が少し悪いのですが、欧米人はインスリンをしっかり分泌してブドウ糖をたくわえ、エネルギッシュに生きてきました。

そんな欧米人が肥満しやすいのは、脂肪の摂取量が多いことと、ブドウ糖をたっぷり蓄積することが原因と考えられます!

日本で糖尿病が増えたのはいつ頃から?

少したるんだ中年男性のウエスト

日本で糖尿病になる人の割合が明らかに上がり始めたのは1960年頃のことです。
この背景に食の欧米化を含む生活習慣の変化があることは、米国の日系移民を対象にした調査がはっきり示しています。
食生活を含む環境要因の変化によるものでしょうか。
なるほど、米国の食生活というと、カロリーの高そうな料理と、甘いお菓子が思い浮かびます。
このどちらも糖尿病には良くなさそうです。

「しかし残念、両方とも犯人ではありません!」

先ほどの倹約遺伝子説は、日本で糖尿病が増えた直接の原因としてカロリー摂取の増加をあげていました。
厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、戦後、カロリーの総摂取量は確かに一時期増えました。
1970年をピークに減少し始め、現在の1日あたりのカロリー摂取量は終戦直後より少ないのです。
健康志向の高まりによるものでしょう。

日本で糖尿病が増えた原因はこれ!

答えは、やはり厚生労働省の調査結果からわかります!
カロリーの総摂取量に占める脂肪の割合が上がり、炭水化物の割合が下がったのです!

脂肪の摂取比率は、終戦直後の1946年にはわずか7%だったのが、1990年に25%を超えて現在にいたっています。
これでも先進国のなかでは非常に低い水準ですが、カロリーの総摂取量が減っても、そこに占める脂肪の摂取比率が上がっているので、脂肪の摂取量は高いままです。
そして、これと並行してもう一つ、日本で大きく変化したことがあります。
それは自動車の保有台数です!🚗

WHOが2011年に発表した国別統計によると、運動不足の日本人は65%にのぼり、米国人の43%を大きく上回りました。
この統計では、ジョギングなどの適度な運動をおこなう時間が1週間に30分以下の人を運動不足としています。
乗用車が社会のすみずみまで普及し、移動手段が非常に発達していることに加えて、運動習慣を持つ人が少ないことが大きいと考えられているんです!

まとめ

いかがでしたか?
日本人がインスリンの効き目が悪くなり肥満や糖尿病患者が多くなった理由が「炭水化物量が増え脂質摂取が増えたこと」さらには「自動車の普及による運動不足」だったのです。
であればダイエットでやらなくてはいけないことは明白ですね。

日本人に必要なことは脂質を控えて炭水化物を摂る、そして運動なのです。

どんどん便利にな世の中になり食事もウーバーで頼めるし電動自転車や車があるしと、怠けることは簡単ですが、日本人本来の身体の特性を存分活かしていきましょうよ!🔥

そうすれば健康を損なうことなくダイエットも容易にできるんです!

今回の記事を参考に生活してみてくださいね!

ダイエットや食事のご相談ならQUALITASの管理栄養士兼、エステティシャンである私野澤がいつでも相談に乗りますので、お気軽にパーソナルジムQUALITASにお問合せください!

それでは次回の記事でもお会いしましょう!
ありがとうございました!

この記事の監修者】 
QUALITASエステティシャン 野澤祥

【保有資格】
 管理栄養士

【経歴】
学生時代、国家資格である管理栄養士、栄養教諭の資格を取得。都内のヘルスケアIT企業に就職後、食事指導のできるエステティシャンとして年間800人以上を担当し、5店舗を束ねる責任者となるが、「一層お客様に寄り添ったエステをしたい」という想いから独立し、QUALITASに参画する。

【神楽坂・飯田橋・南青山・表参道のパーソナルジムQUALITAS】

神楽坂・飯田橋・南青山・表参道エリアのパーソナルジムQUALITASは、「2ヶ月で人は変われる」をCONCEPTに、店舗では「パーソナルトレーニング」 「痩身エステ(ハイパーナイフ)」 を組み合わせた独自のサービスを、店舗の外では「低脂質宅配食」と「オンライン食事指導」を組み合わせたサービスでお客様のボディメイクを徹底サポートいたします。

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